1999年8月

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19ボックス 新みすてり創世記 – 清涼院流水

久しぶりに、清涼院流水。 相変わらず、激しい言葉遊びに終始する話で、読者を選びそう。 この本は、「カウントダウン50」、「華ある詩~モナミ」、「木村間の殺人xⅡ」、 「切腹探偵幻の事件」の4つの短編からなっている。 全体としては、それぞれの話が、ほかの話を作中作のように扱って、 作者的には、読む順番によって、話が変わるらしい。 おもしろいといえば、おもしろいが、ストーリー的おもしろさは無し。

ROMMY 越境者の夢 – 歌野晶午

ROMMYという女性シンガーの話。 話全体が、登場人物の誰か一人をクローズアップして書かれた 短いパートの組み合わせで出来ていて、それがトリックになっている。 そして、違う名前で呼ばれている2人が実は同じ人だとわかった時点で ひとつの真実が読者に示される。 しかし、もっと大きなトリックはROMMYが実はおとこということで、 裕美という本名が絶妙にカムフラージュしている。 二つの大きな叙述トリックで […]

誰彼 – 法月綸太郎

法月綸太郎の第3作。 作者と同盟の探偵、法月綸太郎が登場する。 新興宗教の内部を舞台とした事件だが、死体が誰なのかあやふやな話。 その人がその人であることの不確かさはよくわかるが、 真実がひっくり返ったときの落差が少なく、消化不良気味。 密閉教室にもいえるが、状況が誰が犯人でも紙一重で、 あまり結末に感慨が沸かない。

密閉教室 – 法月綸太郎

法月綸太郎のデビュー作。 探偵、法月綸太郎出てこない。 そのかわりに、森警部の名前が林太郎である。 高校を舞台にして起こるミステリを一人の学生が解決しようと奮起する話。 青春ものなので、それだけでも十分楽しめる。 事件は結局複雑な裏事情により、複数の人が犯行にかかわっていて、 すっきりとしない解決。 若くしてデビューする作家のデビュー作は青春ものが多い気がする。 人物が書きやすいからかな。

フリークス – 綾辻行人

精神病院に入院している患者をモチーフに書かれた短編集。 よく名前を耳にする「409号室の患者」が収録されている。 主人公が精神病であり、物語の進行に地の文ではなく、 主人公の書いた文が多用されていて、 物語の最後に、真実が明らかになり、虚構の世界がひっくり返される。 お決まりのパターンだが、安心して楽しめる。